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上代議員(自民)

 

(問)教育再生について

1.2.本県としてどんな人材を育てることを目指しているのか伺う。

併せて、学習指導要領の改訂を受けての今後の徳育のあり方について伺う。

 

(答)教育委員長

1.明日の本県を担う人材育成に関する質問についてお答えします。

私は、教育活動の原点は、個々の児童生徒の全人的な成長発達に様々な角度から寄与することにあり、いわゆる「知・徳・体」の調和の取れた健全な成長・発達を図ることが肝要であると考えております。

 そのためには、まずもって家庭において保護者や家族など身近な大人が襟を正して姿勢を示し、「隗より始める」気持ちで子ども達に接すること、また、教師は子ども達の目線に立つことは大切でありますが、プロフェッショナルとしてその成長をしっかりと導いていくことが必要であります。

 また、地域は、集団や社会の決まりなど公共の精神を教え、また、相手の立場を理解し、ともに支え合う態度などを育む場として、家庭や学校における教育活動を幅広く支えることが大切であり、これら三者が密接な連携のもと三位一体となった取組を進めていくことが重要であると思っております。

 その中で、感動する心、人を思いやる心など、心の豊かさを尊重することは、すべての教育活動の基盤となるものであると考えております。生命や自然の神秘に触れ、四季折々の移ろいを体感することや、異年齢集団の中での体験や交流活動などは、自他の生命の尊重や、良好な人間関係を築くことなどの基盤となるものであり、知育、徳育、体育も、こうした「心の教育」の上に積み上げるべきものと考えます。

 また、先人の努力や地域の人々の暮らしを知ること、郷土の伝統や文化などについて学ぶことなどは、次代の地域社会を担う人材の育成にとって不可欠であります。

 これらの取組は、様々な教育活動を通じて進める必要があると考えており、このような観点からも、「ふるさと教育」は今後とも積極的に推進すべきものと考えております。

 

(答)教育長

2.まず、本県の人材育成と徳育についてであります。

 今回の学習指導要領の改訂案では、教育の根幹をなす不易の理念である「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の重要性を継承し、「生きる力」を育むことが謳われております。そして、豊かな情操と道徳心、規範意識を養うことなど、道徳教育の充実を図ることが、今回強調されています。

 このような考えは、本県が実施している教育と軌を一にするものであり、現在進めている「しまね教育ビジョン21」の中でも同様の理念を掲げております。

 現在、このビジョンの具体的な取組についての改訂作業を進めておりますが、この改訂にあたっても、従前どおりの理念に基づいて、進めていきたいと考えています。

 このような趣旨からして、3年間取り組んできたふるさと教育を今後も継続し、自然や崇高なものにふれ、感動する心、卑怯を恥じる心などをはぐくむことに一層努めます。

 こうしてはぐくまれた豊かな心や感性は、道徳教育の基盤になるものと考えます。

 この基盤の上に立って、小・中学校段階では、約束や社会のきまりについて理解し、生活の中で考え行動すること、思いやりや助け合う心をもち、よりよい集団づくりに関わること、また、高等学校段階では、善悪の判断を誤らず、所属集団や社会に積極的に関わることなど、規範意識や公共心を養う教育を重視し、発達段階に応じて重点を明確にし、行っていきたいと考えております。

 なお、指導に当たっては、道徳の時間のみならず、国語の学習で優れた文学作品に出会って感動や規律を味わったり、体育の集団活動の中でルール遵守の態度を身に付けたり、また、学校行事など、全ての教育活動で道徳教育に取り組んでいきたいと考えます。

 


(問)学習指導要領について

1.中学校の学習指導要領案のパブリックコメントの状況について伺う。

 重点要望の実現に向けての取組について伺う。

2.仮に重点要望が受け入れられなかった場合の所見を伺う。

 

(答)教育長

1.次に、学習指導要領への竹島に関する記述と今後の取組についてであります。

 今回公表された中学校学習指導要領の改訂案の該当箇所には、「北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること。」と表記されております。

 この表現の中で、「北方領土」に続いて「竹島」が入れば念願がかなったことになりますが、残念ながら記述はありません。

 学習指導要領に明記されることは、教育の場で必ず教える内容として示されることになりますが、本県の要望活動の成果としては、竹島の記載がなされた教科書が、小学校で1社、中学校で5社、高等学校で13社と、近年増加しております。

 また、本県では、竹島の日に併せ、平成17年度から、竹島について適切な指導が行われるよう学校に通知しております。その結果、小中高等学校の大半の学校で、竹島に関した学習が行われております。

 現行の学習指導要領解説で、領土問題についてどのような表現がなされているかを申し上げますと、小学校では、「我が国固有の領土である、歯舞諸島(はぼまいしょとう)、色丹島(しこたんとう)、国後島(くなしりとう)、択捉島(えとろふとう)が現在ロシア連邦によって占拠されている」ことなどにふれるようにするという指導の詳細を示した説明があり、中学校でも同じような記載があります。竹島に関しても、学習指導要領や学習指導要領解説、また、教科書の中に同様の記載がなされるよう、引き続き要望してまいります。

 

(答)知事

2.次に、学習指導要領への竹島の記述にについて

 竹島の領土権の早期確立については、かねてから要望を行ってきたところである。今回の学習指導要領の改訂に当たり、竹島についての記述がなされるよう、平成16年度から重点要望に新たに取り上げ活動してきた。

 しかし、先日公表された学習指導要領の改訂案に、竹島に関した記述がなされていなかったことは、大変残念なことである。

 この改訂案については、文部科学省が3月16日まで、パブリックコメントを実施することとしており、こうした意見公募の手続きを経た上で、最終案がまとめられ、告示される予定である。

 ついては、意見の提出期限までの間に、学習指導要領または学習指導要領解説への記載を、県として引き続き要望していきたい。

 


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