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石橋議員(民主県民)

 

(問)「キャリア教育推進事業」に対する評価も含め、委員長就任に当たっての抱負を伺う。

 

(答)教育委員長

 キャリア教育推進事業に対する評価と委員長就任に当たっての抱負についてお答えします。

 キャリア教育は、職業観や勤労観、職業に関する知識や技能を身につけるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力を育てることを目的に実施しています。

 県内の小・中学校においては、様々な社会見学や職場体験学習を実施していますが、特に中学校における地元企業での職場体験は、事前・事後の指導を含めて五日以上の取り組みであり、学校側の負担がかかるにもかかわらず、ほとんどの学校で実施されており、大いに評価できるものと考えます。

 このような取り組みは、家庭での手伝いや、地域でのイベント参加の機会が減少している子どもたちにとって貴重な体験であり、今後とも各学校において積極的に取り組まれることを期待するものであります。

 高校においては、将来の進路選択や職業選択に結びつくことを念頭に「働くことを学ぼう」推進事業を本年度から実施しています。

 商工労働部とも連携しながら、地域や地元企業の協力を得て実施していますが、より実践的な体験をさせることにより、自己の生き方を見つけ、将来のライフデザインを設計できる能力を育て、職業観や勤労観を醸成していく、効果的な教育が展開できるものと考えています。

 子どもの発達段階に応じて行う、こうしたキャリア教育の積み重ねにより、地域産業が必要とする人材の育成を行う一方、それぞれの地域で若者が意欲を持って働ける、魅力ある職場が用意されることにより、県内就職が促進され、県政の重要課題である産業の振興にも結びつくものと考えております。

 最後に教育委員長就任の抱負を述べさせていただきます。

 このところ、アメリカを発信源とする金融危機が世界的規模での不況をもたらし、わが国の実体経済にも深刻な影響を及ぼし始めています。

 一方、地球温暖化の影響と思われる異常気象も様々な形で頻発しているなど、まさに激変と激震の連鎖が私たちの暮らしの中に大きな不安をもたらしています。

 社会現象も自然現象も、「百年に一度」とか「未曾有」という言葉を多用せざるを得ない今日の現状は、これまでの経験則が役に立たない、経験則だけでは通用しないという深刻な現実を証明しています。

 そしてこれは、決して一過性のものではないように思われます。

 しかし、こういう不透明で混迷する時代だからこそ、島根の将来を担う子どもたちには、将来の夢や目標をきちんと持ち、自ら考え、自らが選択し、これから遭遇するであろう様々な環境変化に柔軟に対応しながら、たくましく、自立して生きていって欲しいと思います。

 そして、子どもたちに、こうした生きる力を身につけさせるために、学校、家庭、地域がそれぞれの役割をきちんと果たしつつ、連携協力して育むことが大切であると思います。

 私は、そのような教育を推進するため、他の教育委員とともに大いに議論をしながら、真剣にその職責を果たしていきたいと考えています。

 


(問)普通高校と養護学校分教室を併設する中での教育目標と分教室における基本的教育方針について

 

答)教育長

 養護学校の分教室についてお答えします。

 来年度から、安来高校と邇摩高校に松江養護学校・出雲養護学校の分教室をそれぞれ設置することとし、新入生だけでなく在校生も含めて、初年度から生徒募集をすることとしております。普通科の生徒と養護学校の生徒が、同じ学びの場を共有することによって、それぞれの生徒が交流及び共同学習を日常生活において行うことができました。お互いの生徒の理解が深まるとともに、豊かな人間性の育成や社会性の養成につながるなどのメリットが出せる思います。

 また、地域との密着した教育を行いたいと考えており、学習内容は作業学習が中心となります。敷地内の農地を利用した作物栽培や地元農家との連携、例えば、安来分教室においてはイチゴ・梨農家等との連携を考えております。農産物を利用した食品加工、さらに出荷にあたっての農産物のラベル印刷を行います。邇摩分教室の場合ですと、地元の方と連携した窯業の学習や、日常的な調理や販売活動を通した地域との連携を行います。

 交流教育については、高等学校の各行事、たとえば体育祭・文化祭等への参加や、生徒会の交流についても日常的に行うことで、共同学習を行うことを考えています。

 この両分教室設置では、安来高校、それから邇摩高校それぞれにおける受入にあたり、積極的、また協力的に対応してくれました。従いまして、普通科との交流がスムーズにいくと考えています。

 また、両分教室ともに地域のイベントなどでの作品展示や販売活動を図ることで、将来の職業生活や社会的自立を目指し、生活する力を高めることを目標に、多様な生徒が共同で取り組める学習内容を行うことによりまして、生徒の実態に応じた指導を行っていきたいと考えています。

 


お問い合わせ先

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