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和田議員(県)

 

(問)知事の島根教育への思いを伺う。

 

(答)知事

 私の教育行政の分野・経験が浅いわけでございますけれども、今日の子どもたちの状況を見ますと、学力や体力、あるいは規範意識といったものの低下が見られます。教育的に、社会的に、諸課題が層状化して生じておるわけでございまして、こうした状況は、経済・社会の色々な要素が複合的に、重層的に関わっていると考えておりますが、個々の問題に対しまして、学力低下に対してどうするか、あるいは規範意識の低下に対してどうするかという個別の対応ももちろん必要でございますが、それらに合わせまして、現在島根県が推進しておりますふるさと教育に見られますように、学校、家庭、それから地域社会が、公民館やNPOといったものも含まれるわけでございますが、三位一体となった取組、そういう総合的な取組が大事な時期になっていると考えているわけでございます。

 そのために、公民館やNPO法人等の協力も得ながら、大人たちが地域の教育活動に参加するように促しております。これが大事なことではないかと考えておるところでございます。

 また、学校教育そのものにつきましては、教育を受ける子どもたちの発達段階に応じまして、学問とか知識を吸収・習得すること、さらに、人格を形成し、道徳心を養うこと、さらに、体の成長を図ること、こうした三つが調和のとれた形で行われることが大切ではないかと考えております。

 四季の移ろいを感ずる豊かな感性や情操、あるいは人とのコミュニケーションを通じた、人を思いやる心、そういったものを養う必要があると考えているところでございます。

 

 

(問)教育改革関連三法について、知事の所見を伺う。

 

(答)知事

 今国会で成立した教育改革関連三法案については、

1)文部科学大臣の教育委員会への指示・是正勧告権の付与

2)副校長等の新たな職の設置

3)教員免許更新制の導入

を主な内容とするものであります。

 今回の法改正で、地方に対する国の指示・是正勧告権が盛り込まれましたが、地域に根ざした教育を実現するためには、各地域が当事者意識と責任を持って教育に取り組むという地方分権の視点が重要であります。

 また、

○副校長等の新たな職の設置については、処遇や定数の改善に努めること

○免許更新制については、費用負担も含めて国による支援策を検討すること

が必要であり、地方としてかねてから要望してまいりましたが、今回の法案採決における国会の附帯決議においても、これらの点が付されております。

 具体的な制度設計はこれからであり、こうした点が盛り込まれることが必要と考えております。

 

(問)世界遺産について

1.世界遺産登録の総数抑制の情勢にあって、イコモスの登録延期勧告も事前に想定した対応を考えておく必要があったと考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.石見銀山の登録につきまして、おっしゃいますように、二十七日、あるいは二十八日ということで審議が行われる予定となっております。

 だんだん登録が厳しくなっている、という状況については、昨年度あるいは一昨年度の状況から、私どもの方も承知して参ってきたところであります。最近の日本の例を見ましても、紀伊山地あるいは知床いずれも、紀伊山地の場合には、「三県を統合した保存管理体制の構築をしなさい」というふうな条件が付いておりますし、また、知床につきましては、「サケの遡上を妨げている砂防擁壁への措置を行え」というような条件が付いていました。

 私どもも昨年一〇月の現地調査の段階では、何らかの形の条件は止むを得ない、付されるだろうという予測は行っておりました。できるだけそうした条件について、いわば荷物の軽い条件に、ということで全力を傾けて参りました。

 現地調査では、百十項目を越えます事前の質問項目がありました。その項目を中心に現地調査を調査官が行った訳でありまして、文化庁、あるいは島根県、大田市も現地調査に総掛かりで臨んで、その結果の調査員の印象もよかったという印象は持ったところでございます。

 そういう中ではありますが、一月末のところでイコモスの方の補足の資料も出しまして、審査を行われておりますが、厳しい指摘があることも想定した上で、文化庁、県、市共同で、二月から不測の事態に備えたところの準備は行っていたところであります。

 こうした事前準備ができましたことが、勧告後速やかな補足情報のまとめにかなり役に立った、というように思っておるところであります。

 それにいたしましても、今回の指摘、価値基準のいずれの項目も証明が不十分とするような評価ですが、私どもの方としては、それまで十分な説明をした、というような状況の中で、繰り返しになりますが、お荷物といいますか、条件というかお荷物は付くけれども登録、というのが従来のスタンスであります。

 こうした中、ユネスコ近藤大使に現地を見ていただ上で、今回のニュージーランドでの世界遺産委員会、島根県の職員あるいは大田市の職員も出向いておりますが、朗報が入ってくることを望んでいるところでございます。

 


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