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園山議員(自民)

 

(問)DVD「誇り」について

1.今回、不適切とされた「誇り」というDVDの内容は本当に不適切か。また、内容を精査することなく、適、不適を判断するという今回の判断手法は正しいか、見解を伺う。

 

(答)教育委員長

1.DVD「誇り」に関するご質問についてお答えします。

歴史的事象の評価に関しては、様々な立場、観点などから異なる見解の主張が併存するケースがありますが、民主主義を前提とする私たちの社会においては、これらの様々な主張や意見の表明は当然のことと考えております。

一方、学校教育において、どのような内容を、どのような方法によって指導するかは、子どもの成長発達に強い影響を及ぼすものであることから、常に中立の立場で適切に判断する必要があります。

中学校において使用する教材については、生徒の発達段階を十分考慮して、学校と、その設置者である市町村教育委員会において適切なものを選定することとなりますが、県教育委員会としては、総合的、中立的な見地から、必要に応じて助言を行うこととしております。

 おたずねのDVD「誇り」につきましては、私も先日、拝見する機会をいただきました。

 このDVDに関しては国会でも取り上げられ、伊吹文部科学大臣も、近現代の歴史の判断は見る人のいろいろな立場での判断があり、一つの判断ですべてを押し切る、割り切るということであってはならないと思うと述べられています。

 私も、これらを参酌し、拳拳服膺して対応すべきものと考えております。

 

(答)教育長

1.まず、日本青年会議所によって製作された「誇り〜伝えようこの日本のあゆみ〜」このDVDの内容を精査することなく適、不適を判断したということの可否についてご質問がございました。

 県教育委員会の判断についてでありますが、議員ご指摘のとおり、直接DVDを視聴し、内容について十分精査した上で判断したものではないことは、より慎重な対応をすべきであったと考えております。ご質問の件につきまして、事実関係を少し整理させていただきたいと思いますが、

○まず、県内の中学校で日本青年会議所の製作いたしましたDVDを活用した授業が行われたことについての見解を求められましたので該当の市の教育委員会に事実関係の確認をいたしまして、経緯の報告と資料の提出を求めました。

○学校から提出された資料や日本青年会議所のホームページから得た資料をもとに、DVDを利用した学習プログラムの内容を把握しました。

○学校から提出された資料により、校長の慎重を期すべきであったとの感想や、学習以後の補充的な授業の対応等について把握しました○これらをもとに、中学生の発達段階を考えると判断力が十分に育っていない段階であり、歴史的事象の学習については、いろいろな考え方があることや、公正に歴史を判断する力を育てることが必要であり、こうした観点から、今回の事案、すなわち学校の授業での取り上げにつきましては、慎重を期すべきものであって、全体としては、不適切であったと判断しました。

 なお、各学校への指導につきましては、一般論として、教材の選定に当たっては、発達段階に考慮することなど、研修の場を通して伝えておりますが、具体的にこのたびの教材を取り扱った学習についての指示や通知は行っておりません。

 近現代史についての考え方は、議員ご指摘のとおり、学問的な歴史観には諸説がありまして、どれが正しく、どれが間違っていると決めつけることは適切ではないと考えています。それぞれの考え方を主張することは、民主的な国家では、あるべき姿であり、このDVDで主張されている考えもまた一つの主張であると考えております。

 私も昨晩、興味深くこのDVDを見ました。男子高校生と思われます雄太と女子高校生のこころとの対話を中心に展開するシナリオでございますが、この中で、現代の高校生が近現代史の歴史認識が不足しているということがよく言われます。そういう近現代史の歴史認識の不足の一つの象徴がこころの言葉発言に表れているという感想を持ちました。子どもたちに、近現代史をきちんと学ばせる必要性を感じたところであります。

 授業を実施した中学校長の対応についてでありますが、校長も慎重を期すべきであったとの感想を述べており、学習した後の補充的な学習を実施するなど、事後の処理につきましては、大変適切に行われたと考えております。

 

■再質問

(問)今回の県教育委員会の対応は、慎重を期して行うべきだったことについて見解を伺う。

 

(答)教育長

 先ほど、冒頭に申し上げましたのが、少し分かりにくい言い方であったと思われますが、今回、教育委員会として判断いたしましたのが、ご指摘にありましたように、直接今日お話にありましたDVDの内容を見た上で判断すべきだったと思いますが、そういう手続きなしに学校や教育委員会からの情報とインターネットに基づきまして判断したことは、もう少し慎重な対応をすべきであったということでありまして、そういう意味では、慎重を欠いていたと思っています。

 必ずしも、その日に、一刻を争うということでなかった事案でございますので、もう少し時間をかけてきちっと見解をまとめた上で、おっしゃいますように、まず、学校の現場の方にお伝えした上で、この案件について誠意を払うべきだったことについては、議員のおっしゃる通りだと思っております。

 

(問)教育費の確保について

1.どんなにひもじくても、島根県の子どもたちに必要な教育費の確保を果たすという教育長の決意を伺う。

 

(答)教育長

1.次に、教育費の確保についてであります。

 本県を取り巻く財政状況は非常に厳しいものとなっています。

 その厳しい財政状況にあっても、教育や文化、スポーツなどの分野は、予算に聖域はありませんが、島根の将来に関わることであり、最大限の配慮を図るべき分野の一つと考えています。

 今年度の予算でも、「三十人学級」や「小学校スクールサポート」、「中学校クラスサポート」、県単独での「学力調査」、「ふるさと教育」、あるいは、七月末から開催される「全国高等学校総合文化祭」などについて所要の経費を計上しているところです。

 また、六月補正予算においては、松江工業高校や、学習時間選択制の高校や、学校、家庭、地域が三位一体となって行う「総力結集・島根教育力再生事業」などの予算ををお願いしているところです。

 議員のお話は市町村の事業でありましたが、県においても、来年度以降について、引き続き厳しい財政再建が求められる中にあっても、教育について、できる限りの予算の配分が図られ、また、配分された予算のより効率的な予算執行に努めることで、島根の子どもたちを、心身ともに健康な社会人として世に送り出せるよう最大限の努力をして参りたいと考えております。

たが、県においても、来年度以降について、引き続き厳しい財政再建が求められる中にあっても、教育について、できる限りの予算の配分が図られ、また、配分された予算のより効率的な予算執行に努めることで、島根の子どもたちを、心身ともに健康な社会人として世に送り出せるよう最大限の努力をして参りたいと考えております。

 

 

 


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