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石橋議員(県)

 

(問)教育の基本について

1.知事は教育の基本はどこにあると考えるか、何のための学力と考えているのか伺う。

 

(答)知事

1.次に、教育の基本についてであります。何のための学力と考えているかとの質問でした。

 私は、教育について十分な経験があるわけではありませんが、子どもが成長する過程で学問や知識を吸収・習得すること、人格を形成し道徳心を養うこと、体の成長を図ること、この三つが調和のとれた形で行われることが必要ではないか考えております。、学力は、将来子どもたちが親の庇護を離れて自立して生活していく際には、学ぶ意欲や豊かな情操、強い体力などとともに培うことが重要であると考えております。

 いわゆる「ゆとり教育」については、私はまだ、賛否両論があると考えております。賛成の意見では、総合的な学習の時間などで地域の人や自然・文化とふれあい、豊かな心や自らの生き方を考える力が育ってきたことが挙げられます。

 他方、学校週五日制の導入による学習時間や学習内容の削減などから、学力低下などを心配する声が高まっています。私としても、こうした両面があるのではないかと思います。

 いずれにしても学校現場の実態を調査・分析し、「ふるさと教育」に見られるような豊かな心や社会性、自ら学び考える力などを育てるといったプラス面は継続しつつ、学力低下の課題については、必要な対応を図る方向で見直しがなされることを期待しております。

 

(問)石見銀山について

1.石見銀山遺跡について、なぜイコモスが「登録延期」を勧告するといった展開になったのか伺う

2.「登録延期」勧告を覆して「登録」にたどり着くシナリオをどのように描いているのか伺う

 

 (答)知事

1.2.次に、石見銀山遺跡の「登録延期」勧告についてであります。

 イコモスは、世界遺産として有すべき「顕著な普遍的価値」の証明に関し、「詳細な物証が示されていない」、「更なる調査研究が必要」などの指摘を行い、「登録延期」の勧告を行いました。

 イコモスの指摘の多くは、推薦書やこれに付随する資料さらに現地調査の際の説明や照会に対する回答で、既に十分説明がされていると考えていますが、結果として、イコモスの理解が得られていませんでした。

 この背景には、ユネスコが新規の登録を極力抑制する傾向にあり、近年、急激に審査が厳しくなっていることが、大きく影響しているものと考えております。

 昨年秋のイコモスによる現地調査では、事前に百項目を超す質問書が出され、また、現地調査後にも追加の照会があることなどから、文化庁の情勢分析をもとに不測の事態に備え、一定の対応策を準備してきましたが、「登録延期」の勧告がなされたことは、意外であり残念でありました。

 次に、登録へのシナリオについてであります。

 イコモスからの指摘に対しては、直ちに、文化庁、外務省などと共同で分析し、既に世界遺産としての価値は十分証明されているとする専門的見地からの「補足情報」の取りまとめを行いました。

 これを踏まえ、「事実誤認を指摘する文書」を世界遺産委員会の議長宛に提出するとともに、ユネスコの近藤大使や文化庁から、委員国やイコモスへの説明・働きかけが行われているところです。

 最後の最後まで国の外交努力をお願いするとともに、県としてもできる限りの協力を行うことによって、世界遺産委員会の審議の場で、世界遺産一覧表への「登録」を果たしたいと考えております。

 

(問)ゆとり教育について

1.ゆとり教育の評価について伺う。

 

(答)教育長

1.まず、いわゆる「ゆとり教育」の評価についてお答えします。

 「ゆとり教育」については、現在、教育再生会議において、学力低下をきたした要因として取り上げられ、授業時間を増やすなどの提言がなされております。

 今日、学力・体力・規範意識の低下など、教育的・社会的諸課題が生じておりますが、このひとつひとつが原因と結果の関係にあるというよりも、社会経済的な様々な要因が複合的・重層的に関わって生じていると考えております。

 「ゆとり教育」については、その功罪が様々論じられています。本県が実施している「ふるさと教育」に見られるような、豊かな心や社会性、自ら学び考える力などを育てるといったプラス面は継続しつつ、一方では、指摘のある学力や知識・教養などの低下の課題については、適切な対応が必要であります。本県について申しますと、学力調査の結果を踏まえ、学校全体で取り組む児童生徒一人一人に応じた指導の充実や、教員の指導力向上をめざした学力向上プロジェクトを進めてまいります。また、学力、体力などと強い関係にある生活習慣の改善を図るなど、総合的な対策を講じてまいります。

 

(問)子どもの体力について

1.子どもの体力低下の実態と向上施策について伺う。

 

(答)教育長

1.次に、子どもの体力低下の実態と向上策についてお答えします。

 文部科学省では昭和三十九年から全国の児童生徒を対象にスポーツテストを実施していますが、その調査結果によると、子どもたちの体力は、昭和五十年頃までは向上していたものの、昭和六十年頃から低下傾向が続いております。

 本県においても同様の傾向が見られます。親世代の昭和五十年と平成十八年の子どもたちの比較をしますと、例えば、高校一年女子の握力は三十kgから二十五kgと十八%の減、中学一年男子の千五百m持久走は六分二十秒から七分二秒と十一%も遅くなっていますし、五十m走、ボール投げでも小学生から高校生まで、ほとんどの年齢段階で低下しております。

 もちろん個人差があり、中には優れた運動能力を持った者も多数おります。

 このように、平均的に見れば、子どもたちの体力が低下しているのは、(1)交通手段など生活の利便性の向上したこと、(2)外遊びやスポーツの機会の減少、(3)体を使う日常生活などが変化したことが主な要因と考えられます。

 体力は、健康な生活を営む上で基本となるものであり、物事に取り組む意欲や知力とも深く関わっています。子どもの体力低下は、将来的には、県民全体の体力の低下につながり、生活習慣病や健康でない割合の増加を招くこととなります。

 こうした問題意識から、様々な取り組みを行っていますが、昨年度から子どもたちが楽しみながら体力つくりに取り組む「しまねっ子!元気アップ・プログラム」の実践を開始するとともに、休日や放課後の活動の場となる総合型地域スポーツクラブの育成、県立体育施設でのスポーツ教室の開催などにも力を入れることとしております。

 また、今年度、新たに保健体育課内に健康づくり推進室を設け、体力向上の基礎ともなる子どもの生活習慣の改善に学校、家庭、地域社会が三位一体で取り組みを進めるよう、保健福祉部とも連携しながら取り組んで参ります。

 

 

 


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