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藤山議員(自民)

 

(問)石見銀山について

1.石見銀山遺跡の世界遺産登録に向けての知事の決意を伺う。

2.今後の周辺環境の整備や体制整備、国内外への情報発信についての考え方を伺う。

 

(答)知事

1.藤山議員の質問にお答えします。

 まず、石見銀山遺跡の世界遺産登録についてであります。

 いよいよ二十三日から開催される(第三十一回)世界遺産委員会も目前に迫り、これに出席するため、本県職員及び大田市職員も、二十二日にニュージーランドへ出発いたします。

 現地では、ユネスコの近藤大使を中心とする外交活動をサポートさせることとしております。

 五月十二日にイコモスによる「登録延期」の勧告がありました後、外務省、文化庁及び大田市と協力して対応を進め、「補足情報」の取りまとめ、近藤大使の現地視察など、行って参りました。

 石見銀山遺跡の世界遺産としての価値は揺るぎないものであり、これまで近藤大使や外務省、文化庁などにより積極的な外交努力を行っていただいておりますので、私は「登録」となる可能性は相当あるものと考えております。

 登録に向けまして、最後まで全力を挙げて参りたいと考えております。

 

2.次に、石見銀山遺跡の周辺環境や体制の整備、情報発信についてであります。

 これまで、石見銀山遺跡に関連する道路や駐車場などの整備、価値の国内外へのアピール、遺跡の案内など受入体制の整備につきましては、県や大田市、あるいは官民協働により、着実に進めてきております。

 ここ数年、石見銀山遺跡を訪れる観光客は年を追って増加しております。また、遺跡の案内や説明をするため設けた専門の遺跡ガイドを利用する団体・グループも急速に増えてきております。しかし、なお、「わかりにくい遺跡」という声も聞きますし、「国内外における認知度が低い」ことも指摘されています。

 こうした点も踏まえ、

1)大田市と協力し、大森の町並みから近い「ふれあいの森公園」に、調査研究、ガイダンス及び遺跡の保存管理の機能を有する拠点施設の整備を進め、ここを中心に遺跡の価値を広く発信する

2)拠点施設を活用して、ガイドの養成・拡充も含めた遺跡のガイダンス体制を構築する

3)拠点施設の隣接地に約四〇〇台分の大駐車場を整備して、来訪者の利便と住民生活との両立を図るなど、周辺環境の整備を進める

4)遺跡中最大の間歩「大久保間歩」の一般公開に向けた整備など、県と市が共同で策定した石見銀山遺跡の包括的保存管理計画に基づき、遺跡の保存・活用を進める

など、取り組みを継続して参ります。

 

(問)全国高等学校総合文化祭島根大会について

1.全国高等学校総合文化祭島根大会の開催内容、取り組み準備状況、島根大会の特色、広報活動について伺う。

 

(答)教育長

1.全国高等学校総合文化祭島根大会についてのご質問にお答えします。

第一点目は、この大会の開催内容についてでございますが、この大会は、七月二十九日から八月二日までの五日間、「悠久の地より吹く新しい風〜島根2007〜」の大会テーマのもと、松江市での総合開会式、パレードのほか県内八市町で演劇・吹奏楽・弁論など二十三部門を開催いたします。全国から参加者する高校生は約二万人、観客は約十万人を見込んでいます。

このうち総合開会式では、国際交流として中国、フィリピン、ドイツの高校生を招聘するほか、開催県発表として高校生の脚本による構成劇を上演します。また、マーチングバンドなどによるパレードは、松江城から県庁前、南殿町商店街を周回するコースに、全国の五十三団体約千八百人が参加することになっています。

第二点目は、取り組み準備状況でございますが、大会まで残り三十九日となりました。最終段階の準備に入っており、連日遅くまで準備作業に追われております。特に、美術・工芸、書道、写真といった展示部門では、全国からそれぞれ約三百点から五百点に及ぶ作品を集めて展示することになっており、合わせて約二千点が届けられ、これらの梱包を解いて展示するための準備作業が始まっております。

また、約二万人の参加者の宿泊については、本県の宿泊サポート室に約一万人、延べ二万五千泊の斡旋希望が来ております。今後、具体的な宿の割り当てを行なうことになります。

この大会の運営は、教員と生徒で行なうことになっていますが、教員は千二百人、生徒は四千人強を予定しており、大会のスムーズな運営や総合案内にあたることにしております。

 第三点目は、島根大会の特色についてでございます。大会の総合開会式の第三部では、出雲、石見、隠岐の三地域を絡めた構成劇を上演いたしますが、この中には「安来節」や石見神楽、矢上高校による「鹿子原(かねこばら)虫送り踊り」、隠岐の三校による隠岐民謡などの伝統芸能をふんだんに盛り込むことになっております。また、文芸部門や新聞部門、自然科学部門などでは、古代出雲歴史博物館や石見銀山遺跡など現地研修のコースを組むことになっています。

 一方、この大会を目指して、例えば石見神楽や太鼓、邦楽、詩吟、書道などで高校生と社会人との文化活動の連携が深まり、加えて高校生が地域のイベントに積極的に参加するようになりました。このように、この大会が今後の地域の文化振興に繋がるよう期待しています。

 また、生徒実行委員会や島根県高校文化連盟では、「つながる縁(えにし)、心の輪」をテーマに、参加者同士の交流を深め、「笑顔、あいさつ、身だしなみ」を合言葉に心をこめたおもてなしを呼びかけるなど、全国から参加する高校生に「また島根に来たい」という気持ちで帰ってもらえるよう取り組んでおります。

 最後に広報活動についてでございます。これまで高校生の文化活動については余り県民の皆様に周知されていませんでしたが、県政広報「フォトしまね」やテレビでの特集や新聞への広告などを行なう一方、地域のイベントへの高校生の出演などで周知を図ってまいりました。

 最近では、大会が近づき、テレビのニュースや新聞記事で高校生の文化活動を紹介される機会を随分増やしてもらっており、ありがたく思っております。

 大会期間中は高校生の溌剌とした姿や高校生にしかできない表現が随所にご覧いただけます。

 これをたくさんの方にご覧いただくことが次代を担う高校生の自信にも繋がります。議員の皆様方におかれましても是非各会場に足を運んでいただき、高校生の姿をご覧いただきますようお願いいたします。

 

(問)鏝絵について

1.鏝絵の文化財・芸術としての価値について伺う

 

(答)教育長

1.次に、鏝絵の文化財・芸術としての価値についてお答えします。

 ご紹介ありました、鏝絵は大田、仁摩、温泉津出身の石州左官が遠く故郷を離れ東京、大阪をはじめ中国大陸で活躍し、帰省したおりなどに制作したものなどが約3百点が残されておりますのは紹介のとおりであります。

 これはまさしく、地域の歴史文化であるますとともに、遊び心が表現されたものが随所に見られ感心しております。

 「まちなみ探偵団」の資料に、次の記述がございます。

 「職人どおしの技の競い合いの場ともなった寺社には集大成とも言える見事な鏝絵が残されている。留守を預かる親や妻達は、その鏝絵を見上げるたびに遠く離れた息子や夫を想い、さぞ頼もしく自慢に思ったことだろう。長い歳月を経て、今もその風貌を残す鏝絵を見ていると、無事出稼ぎを終えた安堵や生まれ育ったふるさとへの感謝、そして職人として一人前になったという誇らしい気持ちがひしひしと感じられる」という一文があり、この表現には私も大いに感動いたしました。

 次に文化財的な観点で見ますと、鏝絵が一般的に建造物と一体となっており、建物と一体で指定されている例としては、重要文化財の旧国鉄大社駅天井の鏝絵がありますし、大田市大森地区、温泉津地区の重要伝統的建造物群保存地区内には安養寺の龍など5点の鏝絵があると聞いております。

 このような伝統技能を継承していく動きが出ております。この動きを支援する意味からも現在建設中であります大田高校屋内運動場に鏝絵技法で作成した校章を設置することとしました。

 

 

 


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