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大屋議員(自民)

(問)必修科目の未履修問題について

1.必修科目の未履修問題に係る処分の規模とスケジュールについて伺う。

2.県内未履修生徒の実態と平均時間、具体的な補充時期と方法について伺う。また、来年度以降、必修科目履修の実効性を確保するためどのような方法を考えているのか伺う。

 

(答)教育長

1.2.まず、高校における必履修科目の未履修問題についてであります。

 本県においては、私立高校を含めますと二十三の高校で未履修がありましたが、この場では公立高校十九校(県立十八校・市立一校)の関係の数字でお答えします。該当の生徒数は、延べ六千三百三十七人、うち三年生が実数で二千六百六十三名であります。また、必履修科目の不足授業時数は、一人当たり最小十六時間、最大百四十時間であります。

 教育委員会としては、まずもって、生徒の不安と負担を可能な限り軽減することが必要であるとして、そのための対策を講じたところであり、三年生の補充授業の時数は文部科学省の方針にもありましたので、最大で七十時間、最小の場合は、場合によっては、補充授業が不要となることもあります。

 補充授業については、カリキュラムに沿って本来の授業時間に行うとともに、放課後や休業日を活用して実施することとなり、現在、該当校において緒についたところであります。

 この問題の再発防止に向けて、教育委員会としては、学習指導要領の趣旨について、改めて県立学校の全教員に周知徹底するとともに、各校のカリキュラムの運用状況を十分把握するなどの取組みを進めてまいりたいと考えております。

 臨時校長会における発言についてのご質問ですが、「善後策を策定し、実施の目途がついた時点でけじめをつけたい」と申しました。

 この問題は、学校が組織として行い、教育委員会が結果として黙認した責任があり、今後けじめのつけ方について検討してまいります。

 


 

(問)一斉学力調査結果について

1.今回の調査結果に対する所感を伺う。また、全国平均と比べて良かった学年・科目を伺う。

2.来年度以降学力調査を継続して実施するのか、その場合、どのような方法を考えているのか伺う。

3.指導力の優れた教員や学校をどのように活用して学力向上を図るのか伺う。併せて、指導の成果が十分でない教員に対するフォローをどのように考えているのか伺う。

 

(答)教育長

1.次に、今年五月に実施した学力調査についてであります。

 学力調査の結果から、児童生徒一人一人の学力や学ぶ意欲、学習・生活の実態や意識を把握することができました。この結果を生かし、各学校において、改善への具体的な取組に向けて動き出すことができ、大変有意義であったと考えております。

 続いて、全国的な値との比較についてであります。

 全国的な値と比較して、良かった教科は、小学校では六年生の社会科。中学校では、一年生と三年生のすべての教科において、全国的な値を上回っていました。

 しかしながら、それ以外の学年・教科において、全国的な値を下回っている状況でした。こうした調査結果を、真摯に受けとめて、今後一層、授業改善、教師の指導力向上など、各学校において学力向上対策を進めていくとともに、県として支援を行っていく必要があると考えています。

 また、意識調査の結果では、テレビ、ゲームの時間が全国的な値と比較して長いこと、前回、平成十五年度の調査の傾向と同様に、家庭での学習時間が短いことなど、生活習慣についての課題が明らかになりました。

 これらの児童生徒の日常生活と学力とは、深い関連があることが明らかになったことから、家庭や地域への働きかけを強化し、学校・家庭・地域が一体となって、学力向上対策に取り組んでいく環境を築いていく必要があると考えおります。

 

2.次に、学力調査の継続実施についてであります。

 学力調査につきましては、すべての市町村教育委員会から、継続実施の要望が出されているところであります。

 来年度、国のほうでは、小学校六年生と中学校三年生の児童生徒を対象に、国語と算数・数学について、行う予定が決定しております。

 県としましては、こうした国の調査の詳細な実施内容を見極めながら、来年度も継続して調査を実施する方向で、検討しているところであります。

 

3.次に、指導力の優れた教員や学校の活用についてであります。

 十月に行いました、小中学校の管理職研修会において、指導力の優れた教員が実践している例として、児童生徒が、受けた授業について、「先生の説明はわかりやすかったか」「授業の進む速さはよかったか」などについて評価し、その結果を教師が授業改善に活かした実践例を示し、各学校での取り組みの充実を図るよう、研修を行ったところであります。

 また、成果の上がっている学校の実践例については、平成十九年二月に開催する学力向上フォーラムや指導事例集で紹介し、その成果を県内の他の学校にも普及していきたいと考えております。

 逆に、指導の成果が十分でない教員への対応についてであります。

 今回の調査では、学校別の結果とともに、教員がそれぞれ担当した学級の指導の成果が、一人一人の児童生徒の結果として出るという調査を行っております。

 こうした結果の分析を踏まえて、特に、支援が必要と思われる学校に対しては、指導主事を派遣して、児童生徒の状況に応じた指導の在り方の研修を行うとともに、個別の教員の相談に応じるなど、ここ具体の取組を進めていきたいと思っております。

 今回はじめてこうした学力調査を実施しましたので、結果を数値として把握することで、自分の指導力を分析・反省するよい機会になったと考えております。そのことで、今後よりよい方向に向かうものと期待しております。

 


 

(問)いじめ問題について

1.学校現場でいじめを含めた心の教育をどこでどのくらいの時間教えているのか伺う。

2.いじめ問題の点検結果と各学校におけるいじめに対しての相談窓口、生徒指導の体制について伺う。

3.いじめに係る専門の知識を持った職員を大至急養成すべきと考えるが所見を伺う。

 

(答)教育長

1.次に、いじめに関連した心の教育についてであります。

 心の教育とは、豊かな人間性を育成する教育という言い方も出来ると思います。その中で社会の規範やモラルを学ぶ道徳教育は、道徳の時間を中心としてそれ以外の各教科、特別活動あるいは総合的な学習の時間などあらゆる教育の場面で取り組むべきものだと考えております。

 時間数については、道徳の時間で年間三十五時間(小一は三十四時間)実施しております。また、「ふるさと教育」に取り組んでおりますが、この中でも、地域の自然や人々とのふれあいを通して、生命の大切さや人を思いやる心など、豊かな心・感性を育てる取組を行っており、年間三十五時間以上実施しております。

 こうした心の教育を通じて、いじめや自殺、あるいは問題行動等の防止や抑止につながっていってほしいと望んでおります。

 

2.次に、いじめ問題の再点検結果と各学校における相談窓口・生徒指導体制についてであります。

 全国的ないじめ自殺の続発を受けて、先日、各市町村教育委員会や各県立学校に対し、いじめに関する校内体制の再点検をお願いしたところです。これに加えて、市町村の教育委員会の中では独自に報告を求めているところもあります。

 その結果、この再点検が各学校の体制や課題を確認する機会となったと捉えており、各学校では、校内巡視の回数を増やしたり校内研修を行うなど、いじめの早期発見・未然予防に努めていると考えております。また、担任一人に抱え込ませない体制づくりが必要ですので、そうした取り組みが積極的に行われることにつながって欲しいと思っております。

 今後とも、各学校へ、確実な実態の把握を求めていきたいと考えております。そうした学校からの報告をもとに、学校と市町村教委・県教委とが連携していじめの解消・再発防止に向けた体制強化を図って参りたいと考えています。

 いじめに対しての相談窓口・生徒指導体制についてでありますが、各学校で児童生徒や保護者が相談できる窓口は、まず担任であると考えております。

 その他、校長・教頭を始め生徒指導主任・主事、各学年の主任、養護教諭、また、学校によっては相談担当の教員なども置いています。

 児童生徒・保護者にとって話しやすい教員に気軽に相談して欲しいと考えています。

 教員以外でも、県内の全ての公立中学校と高等学校、そして約1/4の小学校にスクールカウンセラーを配置し、相談事業を行っています。なお、その他でも小学校の一部には「子どもと親の相談員」等(子どもと親の相談員18校、生徒指導推進協力員7校)も配置している例もあります。

 今後とも、いじめの相談を受けたり、いじめの事実を把握した場合には、全ての教職員が「いじめは絶対に許さない」という共通認識のもと、強い姿勢で取り組んで参る必要があると思っています。

 生徒指導体制については、以上のことをふまえて、管理職のリーダーシップの下で、組織的に取り組んでいくことが大切だと考えております。

 また、青少年の健全育成を所管する健康福祉部や県警本部と、常に密接な連携をとりながら対応していきたいと考えています。

 

3.最後に、生徒指導の専門知識を持った職員の養成についてであります。

 教育センターにおける一年間の長期研修員制度により、毎年五名程度養成する事業を続けており、現在までに約八十名がこの研修を終えております。

 一般研修として、平成8から10年、この時期は全国的にいじめ問題が広がり、島根県でも自殺予告のあった時期ですが、この時期には、小中学校の全教職員を対象にして、いじめ問題への対応についての研修を行ったのが過去にさかのぼりますと一番最初の大がかりな対応でした。

 また、各学校の生徒指導主任・主事を対象とした研修や、初任者や経験者を対象とした研修を行っております。このような研修を受けた教員を各学校のリーダーとして配置しまして、このリーダーを中心として、各学校においても全教員を対象に校内の研修を行っている状況です。

 いずれにしても、このいじめの問題について、幸いに島根県では深刻な状況は生じておりませんが、常に緊張感を持ちながら対応して参りたいと考えております。

 

 


(問)教育委員会制度の在り方について

1.今まで教育委員会制度が果たしてきた役割と意義、今後の教育委員会の在り方について率直な意見を伺う。

 

(答)教育委員長

1.大屋議員のご質問にお答えします。

教育委員会制度が果たしてきた役割と意義についてでありますが、ご存じの通り教育委員会は、学校教育や社会教育、文化などの教育行政を行う地方教育行政機関であり、教育が個人の精神的な価値の形成に直接影響を与える営みであることから、

 言い換えれば、どのような国家になるかは、ひとえにどのような教育を行うかにかかっていることから、政治的中立性が必要なため、地方公共団体の首長から独立した合議制の執行機関として、その意義と役割を果たしてきたと考えております。

今後の教育委員会のあり方でありますが、私は先程も述べましたとおり、教育の独立性、合議制、さらには住民による意思決定、いわゆるレイマンコントロールの実現という観点から、教育委員会制度は一定の機能を果たしており、基本的には必要なものであると思っております。

 ただ、現在の教育委員会制度に対し、様々な問題点が指摘されていることも事実であり、現在の枠組みを維持しつつ、「首長と教育委員会との権限の分担」や「県と市町村の役割」など、それぞれの自治体の実情にあわせ、地域の主体性を生かした行政が行えることが望ましいと考えております。

 県教育委員会におきましても、現場主義に徹し、これまで以上に実態の把握に努めるとともに、諸問題に対して迅速かつ的確に対応して参る所存であります。

 


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