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周産期医療のあり方検討会

 島根県の周産期医療提供体制は、医師不足が深刻化する中、極めて厳しい状況にあり、とりわけ県西部地域においてはその維持すら困難な状況となっています。

 このことを踏まえ、県全体で周産期医療に係る診療機能が維持されるよう、「周産期医療のあり方検討会」を設置しました。

 

 この検討会においては、3回にわたり、当面の対策を中心に周産期医療体制の確保、医療従事者の勤務環境の整備等について検討が行われ、提言が行われました。

 

 

報告書本文(pdf:172.8kb)

 

 

周産期医療体制のあり方について(報告書概要)

1 周産期医療体制の現状

 

  • 県内の分娩取扱医療機関は、産婦人科医の不足や高齢化によって、特に開業医が分娩を取りやめたことにより、ここ数年減少し、現在22施設となっている。
  • また、産婦人科医は年齢層が高くなっており、さらに、若年層は女性医師が多い。産婦人科医が増えない状況であれば、10年後には県内周産期医療体制が崩壊するおそれがある。
  • 助産師は、産婦人科医が不足する中で、その重要性が求められているが、絶対数が不足している。 

 

2 周産期医療体制に係る課題とその対策

 

(1)周産期医療体制の確保

 

課題

 

  • 産科医不足を背景に、それぞれの地域で分娩できる体制の維持が危惧される。
  • 開業医の減少もあり、勤務医の負担が増大し、過重労働に拍車を掛けている。
  • 看護職員の不足により、助産師が助産師業務に専念できない。
  • 助産師は若年層が多く、十分な経験や高度な技術を要する業務が担えない。

 

当面の対策

 

《医師に関すること》

1 オール島根で助け合う仕組みを構築すること

○県と島根大学を中心に緊急避難的な支援(医師派遣)

○退職した産婦人科医の協力を求める仕組み 等

2 それぞれの地域の体制を維持しつつ、県西部において若手育成の場を確保すること

3 若手産婦人科医・小児科医(新生児科)・麻酔科医のキャリア形成を支援すること

○診療科ネットワークの構築

○キャリアプログラムの作成・提示 等

4 学生や初期研修医に周産期の魅力ややりがいを持ってもらうような取り組みを行うこと

 

《助産師の確保・活用に関すること》

5 院内助産システム(助産師外来等)を導入・推進すること

○医療機関ごとの院内助産システムの構想やスケジュールの明確化 等

6 助産師確保を一層進めること

○即戦力の人材確保(U・Iターン促進支援) 等

 

《県民への啓発に関すること》

7 分娩の正しい知識の普及に努めること

8 院内助産システムの意義について普及・啓発すること 

 

中・長期的な対策(将来的に人材確保を行った上で)

 

《医師に関すること》

1 産婦人科主要分野(周産期、腫瘍、不妊、思春期・更年期)に対応した病院を県西部にも整備するよう検討すること

2 開業医と病院が連携することで、地域の周産期医療体制の確保に繋がることから、産科医の開業を支援する仕組みを検討すること

《助産師の活用・育成に関すること》

3 助産師外来が定着した上で、院内助産の実施について検討すること

4 助産師の医療機関間のローテート研修を検討すること

 

(2)周産期医療従事者に係る勤務環境の整備

 

課題

 

  • 周産期医療を担当する医師の不足により、一人あたりの負担が増加し、長時間労働を余儀なくされる。
  • 周産期に係る医療訴訟が多いことから、周産期を志す者が減少している。
  • 女性医療従事者にとって、育児支援に関する環境整備を一層充実する必要がある。

 

当面の対策

 

1 産婦人科医の処遇を改善すること

○可能な限り産婦人科医の全科当直の免除・軽減等

○分娩手当の新設・拡充

○無過失補償制度の拡充 等

2 女性医療従事者の働きやすい環境の整備に努めること

○院内保育所の整備・充実 等

 

(3)国、地方公共団体の支援

 

周産期医療体制の確保のため、医療機関はもとより課題の解決に向けて県及び市町村も支援を検討するとともに、必要な財政支援や制度改善について国へ要望する。

 

 

まとめ

 

医療機関をはじめ、県、市町村等関係者はもとより、地域住民等が協力し、支え、地域が一体となって対処しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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