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メード・イン・しまねの底力Vol.10

すり鉢(元重製陶所)

すり鉢とおろし皿の写真
すり鉢とおろし皿


すり鉢の目かき作業の写真
すり鉢の目かき作業


独自の生産ラインで低価格・高品質

全国に3社あるすり鉢専門メーカーの一つ、元重製陶所(江津市嘉久志町)。年間約25万個のすり鉢を生産し、全国大手のホームセンターで過半のシェアを占めている。

水がめや植木鉢など日用雑器を作る石見焼の窯元として大正14年に創業した。大手メーカーの倒産などですり鉢の供給不足が目立っていた昭和62年、専業に切り替えた。

高温で硬く焼き締める石見焼の技術を土台に、かつてエンジニアをしていた元重彰治(もとしげしょうじ)社長がろくろ成型や施釉の機械化、運搬用リフトなどを考案した。独自の生産ラインを構築したことにより、1日当たり50〜60個から1千個に増産。価格を抑えながら品質の良い製品を安定的に供給できるようになった。

その一方、すり鉢の命ともいえるくし目(溝)を入れる「目かき」は、手作業にこだわる。一定のスピードでろくろを回しながら、くし状の道具を中央から縁へ押し当てて目をかく作業はあっという間だが、「目が浅すぎては役に立たず、深すぎるとすりこぎが引っかかって使いにくくなる。均等に最適な深さにするため、くしを当てる力加減に最も神経を使う」と元重社長は話す。


シリコン付き市場で存在感

すり鉢メーカーとしては後発だったため、競争の激しいホームセンターを狙って営業を強化。その中で商機をつかんだのが、底にシリコンゴムをつけた商品だ。滑りにくく安定感があり、テーブルを傷つけない配慮も受けて、サンプルを送った小売店から問屋に注文が舞い込んだ。

また多様化するニーズに応じ、サイズは4号(12センチ)から18号(54センチ)まで揃え、電子レンジや食洗機にも対応。今年は新たに、切れ味の良い大粒セラミックを使ったおろし皿の販売を本格化させた。

専業の強みであるラインアップの豊富さと徹底したユーザー目線で、市場で確かな存在感を示している。


株式会社元重製陶所の写真


『株式会社元重製陶所』

本社/江津市嘉久志町イ1762
TEL:0855・52・2927
https://www.suribachi.jp/(外部サイトへジャンプします)

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