島根県では仕事に就く女性が多い一方、結婚・出産を機に退職する女性も多く、管理職に占める女性の割合は全国平均を下回っています。昨年4月には女性活躍推進法が全面施行され、県においても女性の就業環境向上への支援を強化。「子育てしやすく活力ある地方の先進県しまね」の実現に向け、取り組みを進めています。

女性が個性や能力を発揮して活躍するためには、家事・育児との両立など、多様なライフスタイルに沿った働き方ができることが求められます。

このように働き方の選択肢が多い職場は、男性にとっても働きやすく、生産性の向上や、雇用の創出が期待できます。

県では女性の就業環境の改善を目指し、「しまね女性活躍推進事業」に取り組んでいます。主な事業として、女性活躍推進法に基づく「行動計画」の策定を推進するため、企業等にアドバイザーを派遣するなどの支援を行っています。

行動計画策定企業には「しまね女性の活躍応援企業」の登録をしていただき、県が広くPR。企業の魅力アップを応援します。また、優れた事例を紹介して、他の企業の取り組みの広がりにつなげています。

応援企業が女性を対象とした人材育成セミナーの開催や女性専用休憩室の整備など、女性の働く環境を整備する場合、経費の一部を助成しています。

この助成金を活用して、女性がいきいきと働く職場づくりを進めている応援企業を紹介します。

教育事業（就業支援、スキルアップ研修等）やウェブサイト制作などを手掛ける企業です。従業員の多くは女性ですが、育児や介護のため退職せざるを得ないなどの課題がありました。

そこで、パソコン等を活用して在宅で仕事をするテレワークを制度化。就業規則に明記したことで、長期間にわたって育児・介護と両立できるなど、個々の事情に合わせた働き方が選択できるようになりました。

金築理惠（かねちくりえ）社長は「柔軟な勤務形態により、スキルを身につけた従業員が働き続けられるよう応援しながら、新たな雇用も掘り起こしたい」と話しています。

^{女性が多く活躍するWillさんいん}

企画から製作・製本までを手掛ける総合印刷企業です。家庭の事情などによる女性社員の退職が多いという課題がありました。

子育て中の社員に聞くと、病後の子どもを保育園に預けられないなどの問題を抱えていたため、必要なときに子どもを同伴して出勤できるようにキッズルームを社内に整備しました。授乳や妊婦用休憩室などへの多機能化も検討しています。また子どもの看護休暇が時間取得できるよう、就業規則も改正しました。

高浜澄子（たかはますみこ）専務は「女性に限らず、子育て中の社員は保育園の送迎などで日々時間をやりくりしている。会社が手助けすることで、働きやすさにつなげたい」と話しています。

^{社内に新設されたキッズルーム}

●問い合わせ先
男女共同参画室（TEL：0852・22・5629）