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不昧と如泥茶と文化

松江で最も有名なお殿様といえば、松江藩松平家第7代藩主の松平不昧(ふまい[治郷=はるさと])です。
藩財政を立て直した名君で、大名茶人として茶の湯文化を保護育成しました。
その不昧の元で大成したのが、指物(さしもの)大工の名匠・小林如泥(じょでい)。
松江城下で、二人の足跡を探します。

 

明々庵付設「百草亭」の写真
明々庵付設「百草亭」

 

 

幼少の頃から茶道を学んだ不昧は、華美で道具自慢に走っていた当時の茶の湯を戒め、千利休の佗茶(わびちゃ)に通じる無駄のない簡素な点前(てまえ)を追究しました。

 

その不昧の好みをよく伝えているのが、松江藩家老有沢弌善(かずよし)のために不昧が建てた茶室「明々庵(めいめいあん)」です。
定石にとらわれない奥行きの浅い床や間取りが特徴で、厚い茅葺きの入母屋(いりもや)には不昧が直筆した「明々庵」の額を掲げています。
東京都内の松平伯邸に移されるなど幾度か所在地を変え、現在は武家屋敷裏手の、松江城を望む高台に移築されています。

また内堀に面した普門院(ふもんいん)には、不昧の時代に茶室「観月庵(かんげつあん)」がしつらえられました。
満月を思わせる丸窓のほか、天井まで開いた大窓や短めのひさし、庭の心字池は、月見の情趣が増すように計算されたもの。
その眺めは不昧が訪れた当時のままで、清澄な風情を漂わせています。

不昧によって松江城下に広まった茶の湯文化は、松江藩でたたらを営んだ田部(たなべ)家によって保護育成が引き継がれました。
松江城北側の塩見縄手に面した「田部美術館」には不昧ゆかりの品を含む数々の茶道具が展示されています。

また茶道具や調度品などの工芸分野も不昧の元で花開き、お抱えの指物大工として腕を振るったのが如泥です。
曲げわっぱや繊細な浮き彫りを得意とし、後年その作品を見た日本近代彫刻の祖・高村光雲に「その技、神のごとし」と言わしめたほどです。

松平家の菩提寺「月照寺(げっしょうじ)」には不昧の廟(びょう)があり、その廟門が如泥作との説があります。中央に彫られた竜は雄々しく体をくねらせ、不昧の好物ブドウの透かし彫りは本物と見まがうほどです。
城山稲荷神社本殿の彫刻や白潟天満宮内の厳島神社も如泥によるものと伝わっており、精緻な技をじかにうかがうことができます。

 

明々庵の写真
明々庵

 

 

観月庵の写真
観月庵

 

 

田部美術館の写真
田部美術館

 

 

不昧廟門の竜とブドウの透かし彫りの写真
不昧廟門の竜とブドウの透かし彫り

 

 

マップ

 

 

○お問い合わせ
明々庵(TEL0852・21・9863)
普門院(TEL0852・21・1095)
田部美術館(TEL0852・26・2211)
月照寺(TEL0852・21・6056)

 

 


 


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