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知事表彰・懇談・ランチミーティングの様子

大井川氏 藤原氏

写真左:大井川敏巳さん(村松栄さんの代理で出席)、右:藤原克一さん

 

松島氏中村氏

 写真左:松島美代子さん、右:中村貴之さん

小川氏 大羽氏

写真左:小川泰昭さん、右:大羽博士さん

吉崎氏 

写真:吉崎博章さん

知事と受賞者の懇談の様子 ランチミーティング

 写真左:懇談の様子、右:ランチミーティングの様子

 

受賞者の活動概要紹介

「長江米エコ栽培グループ村松栄さん(松江市)

 

 食の安全・安心に対する消費者の関心が高まる中、化学合成農薬や化学肥料を使わない昔ながらの米づくりで地域を元気にしようと、平成20年に松江市西長江地区在住の有志13名でグループを結成されました。

【環境にやさしい米づくり】

 「環境を守る農業宣言」を行い、環境にやさしい米づくりに取組んでおられます。グループが主体となって地域のエコ米栽培基準を設定し、地域に広くエコ米を波及させるなど、環境農業推進の先導的な役割を果たしています。

【地域資源の有効活用と消費者との絆づくり】

 20アールの田んぼで年5回、田植え体験やホタル観察会といった消費者との交流会を開いており、参加者が農業の持つ多面的機能についての理解を深めるきっかけとなっています。米づくりのみならず、ホタルなど地域の隠れた資源や縄づくり名人などの人材をも活用した独創的な交流会がファンづくりにつながり、年間300名を越える消費者が交流会に訪れています。そして、交流田で栽培した米は「長江ほたる舞」としてブランド化し、消費者と顔の見える関係から有利販売(出荷や価格に生産者の意向が反映できる販売方法)につなげています。これら一連の取組みは地域に大きな活力をもたらしています。

 

 

村松会長 田植え交流会

写真左:村松会長、右:田植え交流会

 より縄名人による講習会収穫祭の様子

 写真左:より縄名人による交流会、右:収穫祭の様子

 

 

「須佐チップ工業有限会社代表取締藤原克一さん(出雲市)

 

 須佐チップ工業は県内でもトップクラスの素材生産業者で、製紙工場へのチップ生産を主体に事業を実施されてきましたが、合板工場への木材出荷等、木材需要の拡大に伴い、高性能林業機械(プロセッサ、フォワーダ、スイングヤーダ)を導入して、現在は7班体制で年間素材生産量20,000m3を目標に素材生産を行われています。

【森林資源の有効活用】

 平成12年には製材事業を、平成18年には菌床椎茸栽培を始めるなど、多角的に事業を展開されています。そして平成22年度からは、木質バイオマス生産(林地残材のチップ化)にも取組む予定です。素材生産業者として森林組合と連携しながら、A材(製材用)、B材(合板用材)、C材・広葉樹(チップ用材)と多角的に素材を生産し、森林資源を有効に活用されており、県が推進している木材生産団地化推進プロジェクトにおいて主要な役割を果たされています。

 

 

 藤原さん作業風景

写真左:藤原さん、右:作業風景

 チップ製造機械椎茸栽培用チップ

写真左:チップ製造機械、右:菌床栽培椎茸用ザラメチップ

 

 

「いきいきアグリ馬木松島美代子さん(仁多郡奥出雲町)

 

 平成14年に奥出雲町・馬木地区で農業を営む女性25名が、「ひと」「もの」「くらし」を活かし、安心して元気に暮らせる地域づくりを目指して、いきいきアグリ馬木を結成されました。地域の農産物の有効活用、地域住民交流の場や地域の新たな雇用の場を創出するための活動拠点「アグリ工房」を整備し活動されています。

【地域の良さを幅広く発信】

 アグリ工房では、食味評価の高い仁多米を活かした餅、笹巻き、おこわを主力商品として、山深い地域特性を活かした山菜の煮しめ、佃煮の他、野菜の漬物などの特産品開発、各種行事における田舎弁当の提供を行っています。加工品については地元産直市での販売や松江市等でのイベント販売を行っているほか、会員が栽培した野菜や山菜、漬物、餅、笹巻きなどを詰め合わせた産直ボックス便の全国への発送も行われています。

【住みやすい地域づくり】

 農産加工の取組以外にも、アグリ工房の2階を「ふれあいサロン」として開放し地元住民の交流の場として活用しているほか、学校給食への野菜の供給や地元小学生の加工体験の受け入れ等の食育活動も行っており、活気ある住みやすい地域づくりを目指して頑張っておられます。

 これらの活動は、加工・販売、消費者や都市住民との交流等に取り組む地域内外のグループにとって、先導的な役割を果たしています。

 

 

 松島会長煮しめ

写真左:松島代表、右:煮しめ

 加工作業消費者との交流

写真左:加工作業の様子、右:消費者との交流の様子

 

 

「和江小底グループ中村貴之さん(大田市)

 

 小型底びき網漁業は島根県を代表する漁業の一つで、その多くが大田市の漁港に所属する船により行われています。小型底びき網漁業とは、5人前後が乗船した9トン型もしくは14トン型の船により水深80-180m程の海底で網をひく漁法で、ヒラメ、カレイ類、イカ類、ニギス、タイ類など多くの魚種を水揚げするのが特徴です。

 豊かな漁場に恵まれている島根県沿岸部ではありますが、近年は魚価の低迷や燃油の高騰によるコスト上昇等、漁業を取り巻く環境は厳しさを増しつつあります。そのような中、大田市和江地区で小型底びき網漁業に従事する青年漁業者(5隻10名)が中心となり、高いリスクを負いながらも"新技術導入"、"地元仲卸業者との提携"、"販路開拓"に積極的に取り組み、永続的かつ安定的な漁業の経営を行おうと頑張っておられます。

【新技術導入】

 漁船が網を巻き上げる際に使用する機械を従前のサイドローラー方式から直まきウインチ方式への変更をするために漁船の大改造を敢行しました。また、新たに"左右対称漁具"の導入も行っています。その結果、漁労従事者を6人→4人に削減し省人化によるコスト削減に成功しました。さらに、作業スペースの拡大、労働環境の安全性の改善も図られています。今後、同業者が新船を造るにあたってのモデル船となるでしょう。

【地元仲卸業者との提携と販路開拓】

 販路開拓をしていくため、漁業者と地元仲卸が提携して様々な取組を行っています。このグループでは、ただ魚を獲って出荷するだけでなく、漁獲物の鮮度保持に取組むことで高品質な商品をつくっています。そして地元仲買は、その高品質な魚を高く買ってくれる販売先を見つけてきます。販売先からの要望は地元仲卸が受けてグループに伝え、さらに品質向上を図っていくという一連の取組を実施中です。

 

 中村さん高鮮度カレイ

写真左:中村代表、右:鮮度保持をした「高鮮度カレイ」

 

 漁船の改造

 写真:新技術導入のために実施した漁船改造

 

 

小川泰昭さん(浜田市)

 

【間伐の推進と作業路づくり】

 長年林業に携わり、平成16年に浜田地方林業研究グループ連絡協議会会長に就任された小川氏は、間伐の推進と作業路づくりに積極的に取り組まれてきました。平成19年に間伐座談会や利用間伐研修会を6地区で開催し、森林の機能を維持するためには適切な森林の管理が必要なこと、特に手入れの遅れた地域の荒廃森林解消をメインテーマに間伐の必要性の働きかけを森林所有者へ行ってきました。結果、これらの座談会・研修会には59名の森林所有者が参加、約15haの放置森林の間伐が実施されました。

 また、木材生産団地化推進プロジェクト活動の一環として、平成20年度、21年度には作業路づくり研修会を自らの所有林を会場として企画・開催されました。この研修会では作業路の開設前と開設後の研修を2カ年にわたり実施しており、計画と施工後を検証することができるため改善点が明確になるなど、地域における作業路開設の技術の向上に貢献しています。

【地域活性化】

 平成2年に地域活動グループ「おみず会」を結成し、リーダーとして一般市民に対する森林・林業体験活動を展開し、地域資源を生かした地域活性化の牽引役となっています。

所有する築80年の古民家を自宅横に移築し、「水と緑の森づくり税」を活用して市民の体験・交流施設「たばせや」として整備・開放するとともに、これを活動拠点に子ども達への森林・林業教育や、地域住民グループとともに所有山林にて山菜狩り、きのこ狩りなどのイベントを毎年実施するなど、地域活性化に取り組まれています。

 また建築士等を対象とした木造住宅勉強会や、森林ボランティア森林づくりプロデューサー研修会の会場として「たばせや」を提供するなど、林業後継者育成、森林・林業教育などにも積極的に取り組まれています。

 

 

 小川さん竹林伐採指導

写真左:小川さん、右:竹林伐採の指導を行う小川さん(右)

 作業道づくり研修会たばせやでの活動

 写真左:作業道づくり研修会の様子、右:「たばせや」での森林体験活動

 

 

「益田青果買受人組合組合大羽博士さん(益田市)

 

 益田青果買受人組合は「地産地消ネット西いわみ(会長:益田青果社長平成13年設立)」の構成団体として、地産地消フェアの開催や学校給食等への地元食材の斡旋・調整など、地産地消の推進に積極的に取り組まれてきました。

【市場流通型の地産地消モデルを構築】

 他地域で行われている地産地消パターンでは「生産者組織→直売所や消費者」のように小規模で行われている形態がほとんどです。一方で、生産者・買受人・JA西いわみ・市場で組織される「地産地消ネット西いわみ」では、生産と流通が一体となって地域ぐるみで大規模に地産地消を行われています。

【流通の円滑化と地元産品のPR】

 大型量販店やスーパー、卸、個人商店などの組合内の様々なニーズを調整して予約相対取引を拡大するなど、圏域の青果物流通の円滑化に貢献するとともに、地元農産物の安定供給、市場価格安定に努めています。また学校給食や保育所、病院などへ地元産の食材を安定供給するだけでなく、栽培する農家の苦労や美味しい食べ方などの出前講座を事業所で開催するなどの食育活動を併せ行っています。

 また地元農産物をPRするため「農業者が元気になるように!」をモットーに、地元農産物や食育などについてマスコミを活用した広報活動やアムスメロンの贈答販売、地元産品コーナーの設置や表示の徹底などを行う「しまね・ふるさと食の日」実施協力店などとして、地元農産物のPR活動を熱心に行っています。このように石西圏域の生産者と消費者を結ぶ架け橋として、西いわみ農産物の有利販売プロジェクト推進に大きく貢献されています。

 

 大羽組合長益田の野菜

写真左:大羽組合長、右:商店に並ぶ益田産の野菜

 地産地消フェア

 写真:西いわみ地産地消フェアの様子

 

 

「株式会社吉崎工務店代表取締吉崎博章さん(隠岐郡隠岐の島町)

 

 隠岐島・島後地区の乾しいたけは、島固有の恵まれた自然環境と優れた生産技術により以前から高い評価を得てきました。しかしながら近年は生産者の高齢化などにより生産量が激減しています。

【地域林業の活性化と地域経済の発展】

 明治45年の創業以来、隠岐(しま)の木を利用した家づくりにこだわってきた(株)吉崎工務店は、伐採期を迎えたクヌギが当該地域に豊富に存することに着目し、平成18年度より原木生しいたけ生産に参入しました。隠岐の豊かな自然に育まれ成長した原木にこだわり、自ら県(ブランド推進課)と2人3脚で東京・大阪等の量販店やバイヤーと商談を行い、販路開拓に取組んでおられます。また、生産・出荷等に係る従事者を新たに9名雇用したほか、平成19年からはプロジェクトチームの活動として隠岐地域のしいたけ生産復興を目指し、新規参入者発掘のため、未経験者、初心者等を対象とした栽培講習会及び植菌体験を開催しています。これらの取り組みは地域林業の活性化及び地域経済の発展、雇用の維持・創出に大きく貢献しています。

 【地域の原材料の有効利用と保全】

原木しいたけは伐採した木にしいたけ菌を植え込み、散水や温度管理などの手間を1年以上かけ続けて育てたホダ木からしいたけを発生させ収穫します。生産に利用する原木は地元隠岐産のクヌギを使用していますが、素材生産で発生した伐採跡地へはクヌギを植栽し将来の原木確保に備えられています。こうすることで地域森林資源の造成及び保全に繋がっています。また、しいたけ生産に係る給湯暖房施設として、チップや廃ホダ(しいたけ栽培に使用した木)を燃料として使用できるバイオマスボイラーを導入し、廃ホダ等を最後まで無駄なく利用されています。

 

 吉崎さんホダ木

 写真左:吉崎さん、右:育成管理しているホダ木

 原木生シイタケ

 写真:生産した原木生しいたけ

 

 

 


お問い合わせ先

農林水産総務課

島根県農林水産部農林水産総務課

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